289: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) 2012/08/25(土) 09:23:45.04 ID:JSl+fESu0
春、クラス替え
張り出されたリストに、喜んだり残念がったり、そんな声が周りから聞こえる
私は、残念がる方だった
「別々だね、菫」
「まあ、2年間一緒だった方が奇跡だ。1学年20クラスもあるのに、な」
白糸台高校
麻雀のプロを目指す女子高生たちが集う
現在活躍しているプロのほとんどが、この学校の出身というくらい
「3年1組・・・知らない人ばかり」
「照シフトを組むといううわさは、本当だったか」
「なにそれ?」
ため息をつく菫
「お前、この学校に入ってから大会と名のつくもの全て負けなしだろ?」
「そうだっけ?」
「春はクラス対抗戦、夏は部活対抗戦、冬は個人戦、お前は1年のときから負けなしだよ」
「そういえばそんな気がする」
「どんな形でもいい、お前に勝ったという実績をほしがる奴もいる、そういうことだ」
「そう・・・」
そんなことのために菫と離れるのは、悲しい
「私のクラスは特に、お前をつぶすためのクラスだろうな・・・」
「そう?」
菫のクラス、3年2組の名前を見るけど、よく分からない
「まったく、少しは他人に興味を持て」
またため息
「家庭科部の福路、書道部の石戸、ソフトボール部の清水谷、サッカー部の愛宕洋榎、そしてアーチェリー部の私。大所帯の部長を全部集めてるぞ・・・」
「きっと、部長会議をしやすくするためだね」
「お前は前向きでいいな・・・」
「そうかな?」
単純に、感想を述べただけなのだけれど
「お前の妹も今年入学だろう?」
「そう、楽しみ」
「そのクラス担任が、担任や顧問を受け持つと大会で番狂わせを起こしてくる赤土先生だ」
「去年の赤土先生のクラス、強かったもんね」
「それは覚えているのか」
「荒川さんと天江さんだっけ、春のクラス対抗も決勝まできて、個人戦でも荒川さんは強かったから。よく覚えてる」
荒川さんは、とにかく状況対応力がある。いろんな打ち方をする人がいるけど、荒川さんはそれにうまくあわせてくる
私は周りから言わせるとどんな相手でもねじ伏せるタイプらしいけど、荒川さんは柔剛の柔というところだろう
「その荒川と天江が同じクラスだ。しかも、神代というおまけ付きでな」
「じゃあ2年の本命は、そのクラスか」
「お前のクラスじゃあ、太刀打ちできないだろうな・・・」
ふと、菫の視線が止まった
「いや、伏兵がいる・・・」
「伏兵?」
「まあ、クラスへ行けば分かるさ。そのクラスで、一番目立つ奴だ」
「目立つ? 派手なの?」
ヤンキーとかだったらいやだなぁ
「派手というか、季節違いというか・・・」
「季節?」
季節違いと聞いて、ふと思い浮かんだのは
「冬でも半ズボンをはく小学生みたいな?」
「逆だ。まあ会えば分かる」
引用元: ・照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】