白糸台高校・麻雀部監督の日誌-42-

記入日:2012年04月02日(土)

1 大分落ち着いたけど、まだ頭の中がグルグルしてる。

 今日、オーナーに会ってインハイの話をした。オーナーとしては「チーム虎姫で」インターハイ三連覇を成し遂げろとのこと。

 それは当然、私も三連覇を成し遂げようと思っているし、四連覇、五連覇、十連覇と狙っていく所存なので改めて言われるほどのことではない。いつものように愛想笑いして「お任せください」と言っていたけど。

 そして、珍しくオーナーが私のことを「貴方には期待してるのよ」とか褒めてきた。春季大会の結果もあって上機嫌なんだろうけど、唾を飛ばしたいほど嫌いなやつに褒められても虫唾が走るばかりだ。

 しかも、あのクソオーナーは「前の監督は無能だった」とか宣った。

 それを聞いて、頭が真っ白になって、いままで媚びへつらってきたオーナーを怒鳴りつけようとしてしまった。お前のあの子の何がわかるんだ、って。

 でも、頭に血が登りかけたのは一瞬で、直ぐにいつも通りの営業スマイルで「そうなんですか」と曖昧な返事をしてしまった。オーナーは最後までご機嫌で帰ってきた。

 その後は普段通り仕事して、普段通り夕飯の材料買ってきて、普段通りあんまり美味しいとはいえない夕飯を作って照に食べてもらった。

 夕飯終わって、ぼんやりとテレビを見ていたらオーナーの一言をジワジワと思い出し、それを怒鳴りつけれず愛想笑いしていた自分が情けなくって悔しくって、照もいるのにボロボロ泣いてしまった。

 照は心配してくれて、私も泣くのはやめようとしたんだけど泣き止めず、照を抱きしめさせてもらった。久しぶりに抱きしめる娘は昔に比べると大きくて、華奢とはいえ、抱っことかは出来なくなったけど、弱り果てた私にとってはとても頼りがいのものに感じられた。

 時間にして五分ほど泣いてただけだけど、照には随分と恥ずかしい姿を見られてしまった。恥ずかしい。こんなだから私はダメ女なんだ。

 とにかく、明日からも頑張ろう。あの子のためにも、私にためにも。

記事まとめ(日誌系)

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