三尋木咏・回顧録覚書-14- 「お別れ」

Date:2019年6月17日(月)

2 私がプロになって一年目の年は横浜もそこそこの順位で終わったけど、トップになることは出来なかったし、日本シリーズに行くことも叶わなかった。

 プロになってからの楽しみは小鍛治プロとの対局しか無いと思ってたけど、手強い人は結構いた。

 鬼怒川アナは怖かったけど、性根は柔らかくて良い人だったからプロ一年目の年が終わるころには大分仲良くなれてたと思う。

 チームメイト……チームの先輩達も良い人達ばっかりだったから、あの人達とも一緒にご飯食べに行ったり遊びに行くぐらいには仲良くなった。ただし監督はアレなので除く。

 オフにはみんなと遊んで、夜には鬼怒川アナに教えてもらいながらご飯の腕磨いて、ご飯だけたかりにきた監督の口に窒息死させる勢いでおにぎり詰め込んでやったりして、小鍛治プロや他のプロとの対局を待ち望んでいた。

 私は一年目から結構活躍できて、新人賞とか他の賞も貰うことが出来た。

 何もかも順調で、来年も楽しいのがずっと続くに違いない……なんて根拠も無いのにそう思ってた。

 チームの先輩たちが、解雇されるまでは。

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