千里山女子高校・麻雀部監督の日記-3-

記入日:2008年05月09日 

1 今日、地区大会のレギュラーを発表した。

 レギュラーになれなかったためにやめていった三年生はいまのところいない。悲観的にならず、レギュラーメンバーを支えようと裏方としての仕事にまわる姿が多く見受けられた。

 既に開催まで一ヶ月を切った地区大会に向けて、北大阪地区出場校の最終的なデータを取りまとめ、レギュラーメンバーにデータを叩きこんでいく必要がある。

 全国大会出場校に関しては情報を集めないわけではないが、地区大会が終わって代表校が確定してから本格的に始めるつもりだ。

 あとは月末に行う校内合宿の準備。今年は最上級生がしっかりした者ばかりなので、一昨年のようなボヤ騒ぎは起こらないだろう。あれは本当にマズかった。生徒に請われて愛宕家に代々伝わる十の宴会芸の一つ、火吹き芸を披露する千里山女子の監督がいた所為だ。

 レギュラーに関して。結局、藤白をレギュラーとして起用することにした。

 本人がなぜあれほどオカルトを忌避しているのか、直接話しても詳しい理由はわからなかった。非合理的と言っていたが、あの毛嫌いっぷりは過去に何かがあったように思える。

 多少はオカルトを考慮するように説得したものの、実際に考慮するかはかなり怪しいものがある。

 ひとまずはそういった選手が比較的少ない中堅にオーダーしておいた。先鋒は論外だろう。

 また、藤白をレギュラーになったことによって候補の一人であった藤白を特にかわいがっていた三年生をレギュラーから外すことになった。

 内心では悔しかっただろうが、それを表に出さずに藤白がレギュラーになったことを本人以上に喜んでいた。一年生の時から浮ついて落ち着きの無いやつだったが、いつの間にか大人になっていたようだ。

 問題は藤白だ。藤白はレギュラーの中で二番手といっていい実力を持っており、実際のところ先輩をレギュラーからあぶれさせたのは別の生徒なのだが、一年生でありながらレギュラーに起用されたために自分の責任だと感じているようだった。

 祝福されても不安そうに恐縮していたため、悪い方ばかりに考えて実際の試合で萎縮することが心配だ。逆に、自分は託されたのだと、そう思ってくれるといいが。

 どうも、藤白に対する不安要素が増えている気がする。いくらレギュラーの中で二番手の実力を持つとはいえ、まだ高一なのだから多くを期待しすぎてもいけないだろう。

 地力はかなり高いので、不確定要素と当たらなければ部内と同じく安定した成績を残してくれるだろう。


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